資産状況を整理するため、ROA(総資産利益率)診断を実施する
まずF様の所有財産の内容と相続評価、市場評価(価値)、収益性の現状を把握するため、ROA診断をお勧めしました。
ROAとは、Return on Assets(総資産利益率)の略で事業に投下されている資産に対して利益がどれくらいあるかを示した指標です。その資産がどれだけ効率性があるかを測ることができます。
F様、奥様、お母さまにそのことを説明すると、「ぜひやって欲しい」とおっしゃっていただき、提出された必要な書類からROAを作成しました。
そのことで、まずは資産状況が全て見える化され、F様も現状をはっきりと把握することができました。
するとわかったのは、F様の資産はほぼ不動産で分割ができないということでした。
そして所有する不動産は多いのですが、収益が悪化しているということもわかりました。
このままではF様の望む幸せな相続はできません。
まずアパートの収益を改善
現地確認すると、アパート2棟は入り口が道路に面しているのですが、後の2棟はぐるっと回らないと入り口には入れない作りとなっていました。
なぜかと言うと、4つあるアパートの道路側2つのアパートの間は室外機など設備置き場として使われており、人が通れるほどの空間がないためでした。
一方でその隣にある母屋は老朽化が進み、高齢のお母さまが住むには寒く住みづらい家となっていました。
そこで母屋を改修すると同時に、母屋とアパート4棟の領域を整理し、奥のアパートに入りやすいように動線を作ることを提案しました。
そうすることで、賃貸アパートの空室率と、母屋の老朽化の両方の問題を解決できます。
これにはF様もご納得いただくことができました。
今後は、稼働が悪い近隣の太陽光発電の改善も実施予定。
資産を整理した状態で兄弟間の配分を検討する
近隣の太陽光発電についても、収益率が悪いということが問題となっていました。
太陽光発電については、賃貸アパートを建てて別の土地活用をすることも方法の一つである事。
収益シミュレーションの結果、戸建賃貸アパートの方が利益が出そうだと言うことで、進めることとなりました。
これらにより、資産を相続した後にはどれくらいの利益が出るかが誰が見てもわかる状態となりました。
この状態でF様兄弟の分割案を考え、兄弟間できちんと話し合うことができたそうです。